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僕は浜辺を歩く

夕方
冬の湘南

数人の
ランナーとすれ違う

彼らは
夕日に溶けて行った

まるで
記憶の中の陽炎のように

砂を蹴る音が
波の音に重なり
音もなく沈んでいく

夕陽に虹色の
波紋が空気に混ざる

-戎-